家族のこと
私と兄、父と、母の4人家族。もともと父が喫茶店をしていたところに母が客としてきて結婚。すぐに兄が生まれて、2年後に私が生まれた。母と結婚してから父は稼ぐために出稼ぎに、母は店を任され兄と私は寝る以外の時間を喫茶店で過ごした。いつもカウンターに座ってテレビを見たりご飯を食べたりしていたのを覚えてる。コーヒーの香りが漂う薄暗い店内、白いカウンターに革でできた茶色のイス、カウンターの向こうにジュースを作るシロップの瓶が並び、サイフォンで作るコーヒーは不思議で何度見ても飽きることがなかった。
もうその店はない。
ボックスの席には昔ながらのテトリス、麻雀、花札のゲーム機があって定期的に交換しに来ていた。小さい頃の私にとって脱衣麻雀はとても衝撃的だった。
朝食は喫茶店のボックスで母と兄、私の3人でトーストとコーヒーを飲んでいたことを覚えてる。
あの朝が好きだった。